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『Qシリーズ』(キューシリーズ)は、松岡圭祐による日本の推理小説のシリーズ。角川文庫および講談社文庫レーベルから刊行。表紙イラストは清原紘(ただし、『万能鑑定士Qの事件簿0』『特等添乗員αの難事件VI』を除く)。
Qシリーズとして、第一部『万能鑑定士Qの事件簿』(ばんのうかんていしキューのじけんぼ、Case Files of All-Round Appraiser Q)、第二部『万能鑑定士Qの推理劇』(ばんのうかんていしキューのすいりげき、The Mystery Featuring of All-Round Appraiser Q)、短篇集である『万能鑑定士Qの短編集』(ばんのうかんていしキューのたんぺんしゅう、Story Collection of All-Round Appraiser Q)が刊行されている。
なお姉妹編にαシリーズ『特等添乗員αの難事件』(とくとうてんじょういんアルファのなんじけん、Puzzling Cases of Deluxe-Tour Conductor α)が刊行されており、本項で述べる。
概要
キャッチフレーズは「面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」。そのキャッチの通りシリーズを通し一件も殺人事件がなく、物語中では自然死も描かれない。
私立探偵や刑事でないフリーランスの職業、若く美人だが天然系の女性が広範な知識を武器に、少々頼りない男性助手と共に「人の死なないミステリ」を解決していきつつ、恋模様も描かれるライトミステリ・シリーズという特徴において、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズや西尾維新『掟上今日子の備忘録』シリーズなどの先駆けとなった。
刊行は極めてハイペースで、第一部『万能鑑定士Qの事件簿』が2010年4月から2011年10月にかけて、角川文庫から書き下ろしで全12巻が連続刊行された。引き続いて2011年12月より第二部『万能鑑定士Qの推理劇』、2012年2月より姉妹篇シリーズ『特等添乗員αの難事件』シリーズの刊行が開始された。以後、文庫版ファンブックである『万能鑑定士Qの攻略本』、『万能鑑定士Qの短編集』を含み、隔月ペースにて刊行されている。『万能鑑定士Qの推理劇』は2013年8月のIVで完結し、2013年11月以降は『万能鑑定士Qの探偵譚』『万能鑑定士Qの謎解き』と独立したタイトルでシリーズが継続。
映画化を機に隔月ペースでの刊行が停止、予定されていた次回作が発売延期となり、別シリーズの『探偵の探偵』が講談社から刊行されるようになった。2016年春、講談社文庫の『探偵の探偵』シリーズとクロスオーバーした『探偵の鑑定』を刊行。このクロスオーバー作を以って『探偵の探偵』シリーズは完結、その続編として2016年8月『万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉』でQシリーズも完結となった。松岡作品での明確なシリーズ完結は『探偵の探偵』シリーズ、Qシリーズが初となった。ただし、その後に後述の通り『万能鑑定士Qの事件簿0』が刊行されている。
また、『écriture 新人作家・杉浦李奈の推論』シリーズにはQシリーズの主人公・莉子が登場しており特にⅤ巻では表紙イラストで同作主人公の李奈よりも莉子の方が大きく描かれる等、事実上のクロスオーバー作品となっている。
第一部『事件簿』篇の1・2巻のみ1つのエピソードの上下巻で、同3巻以降は1話完結。以後、巻数表示は便宜上アラビア数字を用いる。第一部は刊行開始1年で累計200万部を突破した。
2014年初夏、全国東宝系公開で映画化された。題名は『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』。出演は凜田莉子役に綾瀬はるか、小笠原悠斗役に松坂桃李 。監督は佐藤信介。詳細は後述。
漫画化作品として、『ヤングエース』2013年2月号より『万能鑑定士Qの事件簿』、『月刊Asuka』2014年4月号より『特等添乗員αの難事件』が連載された(両誌とも角川書店刊)。
ブックウォーカー大賞2014文芸賞受賞、ブックリスタ年間ランキング2014小説部門1位。
平成27年度金沢工業大学入試において国語の長文読解に『万能鑑定士Qの事件簿I』が採用された。
原作小説版がタイ、韓国、台湾、中国で、コミック版がフランス、タイ、韓国、台湾で翻訳出版されている。
少年サンデーコミックス『名探偵コナン』91巻の名探偵図鑑に本作の凜田莉子が紹介された。
2016年5月時点で「万能鑑定士Q」シリーズの累計部数は450万部を突破している。
2017年1月、第2回吉川英治文庫賞最終候補作に選出された。
2017年4月、アニメ情報サイト『アニメ!アニメ!』の『アニメ化してほしいライトノベル・小説は?』アンケートで10位に選出。
2020年7月、シリーズ10周年を記念し『万能鑑定士Qの事件簿0(ゼロ)』刊行。これにより事件簿シリーズは全13巻になる。
2021年2月『特等添乗員αの難事件VI』で7年ぶりにαシリーズ再開。舞台設定は前作までと同様に「現代」ではあるが、劇中で前作から7年経過している訳ではない。
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