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『吾輩の部屋である』(わがはいのへやである)は、田岡りきによる日本の漫画、およびそれを原作としたテレビドラマ。小学館の漫画雑誌『ゲッサン』2015年5月号(2015年4月12日発売)より2018年3月号(2018年2月10日発売)まで連載された。
メディアミックスとして、2017年9月19日から11月21日まで日本テレビ「シンドラ」枠にてテレビドラマ化された。
概要
1Kのアパートで一人暮らしをする男子大学院生が日常の出来事についてあれこれ考察する、「哲学系部屋コメディ」である。全編を通して登場人物は主人公の鍵山哲郎と家具のみで、他の人物は名前以外出てこない。また、舞台も自宅の中だけで完結している。
作者の田岡りきは、京都精華大学芸術学部在学中の2009年に「第5回ゲッサン新人賞」佳作を受賞。2014年に『ゲッサンmini』において『確かめにいこう』でデビューした。この『吾輩の部屋である』は、作者の初の連載漫画である。主人公は田岡と同じく和歌山県出身の設定である。
2017年8月にテレビドラマ化を発表。田岡は連載を終わらせる予定で最終回に向けての打ち合わせを行っていたが、これにより連載を継続させることとなった。9月にテレビドラマの主演は菊池風磨(Sexy Zone)であることが、そのほかに「家具の声」を演じるキャストと合わせて発表された。
あらすじ
都内の1Kアパート「ヒノデ荘」で一人暮らす大学院1年生の鍵山哲郎は、自宅や身の回りで次々起こる些細な出来事を哲学的に考えて暮らしていた。その傍らで同じ研究室に所属する植村さんのことが気になっており、日常の合間を縫い告白に向けた作戦を着々と練るが、ある日自宅を訪れた植村さんの帰り際に「好きです」と声をかけたところ、あっさり受け入れられる。しかし、まもなくしてフィールドワークのため群馬へ行くよう教授から命じられ、補助として付けられた学部4年の東山と共に群馬へ赴く。
群馬では一人暮らしにもかかわらず2DKの一軒家を提供されるが、植村さんとは遠距離恋愛になった上、車がないと生活もままならない地域で、唯一の頼りは運転免許を持つ東山だけだった。2人は着々と研究を進めるが、男女二人でいることから研究室であらぬ噂が立っていることを知り、哲郎は先輩後輩の関係とはいえ東山と馴れ馴れしくしすぎたことを後悔する。紆余曲折を経て植村さんに釈明するが、実際は同期らが哲郎を脅すために仕掛けた罠で、実際のところ植村さんは特に気にしていなかった。それでもなお哲郎は、博士課程への進学を決めた植村さんや、就活を終えた吉田を見ては、運転免許すら持っておらず、いつ東京に戻れるかも分からない自身の行く末を案じずにはいられなかった。
ところがある日、研究室の人手不足を理由に、哲郎は後輩の湯川と入れ替わりに東京へ戻ることになる。一安心したのも束の間、研究室の人手不足は植村さんがドイツの大学へ入学することによるものだった。哲郎は突然の「帰還命令」や、更なる遠距離恋愛となることに大きく動揺しつつも、論文を完成させ、大阪の企業からも内定をもらう。
論文の執筆で溜まっていた「やりたかったこと」を消化していくだけの日々が続く中、哲郎は冬休みで一時帰国していた植村さんと共に箱根旅行へ行くことにするが、その前日、哲郎は植村さんを家に招いてある事実を報告する――実は修士1年の時に必修の単位を落としたまま放置していたため、留年が確定し、内定も取り消されていたのだった。「そんなことは一旦忘れて、旅行は楽しもう」と言う哲郎に、植村さんは「そうですね」と一言だけ返す。家にティーバッグがなかったことに気付いた哲郎は、植村さんと手をつないでコンビニへ赴く。
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