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『ロードス島戦記』(ロードスとうせんき、英語: Record of Lodoss War)は、安田均(原案)・水野良(著)による日本のライトノベル。
1986年からグループSNEによるテーブルトークRPG(TRPG)『Dungeons & Dragons』の誌上リプレイとしてパソコン雑誌『コンプティーク』に掲載された。出渕裕が描いたエルフをはじめとするイラストが人気を集めたこともあって、連載が進むに従い世界観やストーリー及びキャラクターへの人気が高まり、キャラクターを替えて第3部まで続く好評企画となった。
1988年、リプレイのDMである水野良による小説が角川文庫(1989年以降は角川スニーカー文庫)から刊行されて以降、多岐にわたるメディアミックス作品が発売されている。1991年にOVAにてアニメ化、翌1992年にハドソンより家庭用ゲームソフトも発売。1998年にはテレビ東京からテレビアニメシリーズが放送された。
リプレイや小説の他にもコミック、コンピューターゲームなど様々な媒体で発表され、2013年には『ロードス島戦記生誕25周年』を記念して、豪華単行本が発行された。小説は角川スニーカー文庫の名を世に広める立役者となり、ライトノベルからはじまるメディアミックスの草分けとなった。
なお舞台となる「ロードス島」と同名の島(ラテン文字表記ではRódos)がエーゲ海に実在するが、本作品との関連性はない。
前日譚に『ロードス島伝説』、続編に『新ロードス島戦記』があり、2019年8月1日には更なる続編『ロードス島戦記 誓約の宝冠』が発行された。
概要
「呪われた島」ロードスを舞台に、英雄たちの興亡と冒険を描いたファンタジー物語である。
作品として最初に公表されたものは、1986年にパソコン雑誌『コンプティーク』に掲載されたテーブルトークRPG(TRPG)の紹介記事である。このグループSNEによる『Dungeons & Dragons』の誌上リプレイは、連載が進むに従い世界観やストーリー及びキャラクターへの人気が高まり、結果連載はキャラクターを替えて第3部まで続く好評企画となった。もともとロードス島とはグループSNEが『D&D』に限らずさまざまなテーブルトークRPGでキャンペーン・ゲームをするために用意した舞台で、オリジナルルールのほか、『ルーンクエスト』や『ドラゴンクエスト』でプレイされたこともあった。
リプレイ第1部と第2部は『Dungeons & Dragons』を使用していたが、版権上の問題が発生したため、第3部からはグループSNEオリジナルのTRPGルールによってプレイされている。この関係上、第1部と第2部の連載は単行本化されておらず、後にオリジナルルールで再プレイしたものがリプレイ本として発売されている。
リプレイの「DM(第3部ではGM)」であった水野良は1988年、このリプレイを基にした小説第1作『灰色の魔女』を刊行。以降、本シリーズと『ロードス島伝説』及び『新ロードス島戦記』を合わせた小説シリーズの累計部数は2005年10月時点で1000万部を突破している。
その後コンピューターゲームやアニメーションでも発表され、多くのメディアでファンに親しまれる作品となっている。また後に、背景世界であるフォーセリアを舞台にした『ソード・ワールドRPG』などの数々の派生作品も展開されている。
日本国産ファンタジー作品として一定の成功を収め、またブームを一過性のものに終わらせず固定したファン層も確保し、その地位を不動のものにした。また、このジャンルの作品としてはほぼ初の(テーブルトークRPGを元にした作品としては間違いなく初の)大規模なメディアミックス展開を実施し、一定の成果を上げた作品となり、メディアミックス作品を含めて英語やフランス語、中国語などにも翻訳される。2008年にはアニマックスのアニメソングイベントで同作品のOP曲を歌って受賞した外国人も現れている。本作の魅力の一つであるビジュアル面は、出渕裕が担当した。出渕の誤解によりディードリットに採用されたエルフの「ロバのような長い耳」の描写は本シリーズの人気と相まって、日本のファンタジー作品における「エルフと言えば、長い耳」というイメージが定着した。水野も小説シリーズの中で「風切羽のような耳」という表現を用いている。
あらすじ
暗黒皇帝ベルドに率いられたマーモ帝国軍と、至高神ファリスを奉じる神聖王国ヴァリスを中心とする国々との戦い(英雄戦争)を背景として進む。
アラニア王国出身の若き戦士パーンは、亡き父と同じ騎士になる夢を求めて5人の仲間と共に冒険の旅に出た。その途中、英雄戦争の狭間で暗躍する「灰色の魔女」カーラの陰謀の一環であるフィアンナ姫誘拐事件に巻き込まれるも、フィアンナ姫の救出に成功し、自らの進むべき道を求めヴァリス王国に向かう。
そしてマーモ帝国とヴァリス王国の緊張が高まる中、カーラの思想がロードス島の平和と相容れないものであると悟ったパーンらは、六英雄の一人である大賢者ウォートに助力を求め、遂にカーラの居場所を突き止め魔女に挑む。
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